いろいろな人のブログで、花の写真を見るのが好きです。
青空に映える鮮やかな色の花、雨の雫がしたたっている花びら、大きな自然を感じさせる広い野原の野草に咲く花…種類や名前には全く詳しくないのですが、どこかの誰かがその花を見て、きれいだな~と写真を撮って共有している。そんな写真を見ると嬉しくなります。
先日のこと。夫がスマホを見せてきました。
「見て~。桜が咲いたんだって!」
「桜?もう咲いたの?どこ??」
「インドネシア」
インドネシア…?
見ると、インドネシアに赴任している夫の知り合いが、写真を送ってくれていました。
そこには、確かに、満開の桜の花が写っていました。
へえ~、桜って南の国でも咲くんだ…。
しかし、ひとつの疑問が浮かびました。
桜って、日本では春に咲くよね?
四季がある国で、冬の後、春にならないと咲かないよね?
年中暖かいインドネシアは、どんなタイミングで開花するんだろう?
夫に質問をぶつけると、「確かに…」と黙り込んでしまいました。
気になったので、桜の花について調べてみることにしました!
桜についての概要
桜は、日本を始めシベリア、中国、アメリカ、カナダなど、主に北半球の温帯地域に自生している植物です。
世界的にも特に日本でなじみが深く、花見目的にさまざまな品種改良が重ねられてきました。
観賞用としてはソメイヨシノが最も多く植えられています。
桜の開花について
桜の花は、地域や品種によって開花にばらつきが多いそうです。
例えば日本では、1月頃に沖縄でカンヒザクラが咲き始め、その後東京などでカンザクラなど早咲きの品種が咲きます。そしてソメイヨシノが咲いた後、4月中旬以降にヤエザクラが咲き、5月になると北海道でオオヤマザクラ、標高2000メートル以上の地では7月にタカネザクラが咲きます。
桜は、花の芽を作ると葉の部分で休眠ホルモンを作り、休眠するそうです。
(※休眠:生物の成長・発生過程や動物の身体的活動が一時的に休止するような時期のこと)
その後、休眠を解除して再び開花するには、一般的に−5℃程度の低温の刺激がなければならず、その低温時間の積み重ねとその後の気温の上昇が必要なのだそうです。
つまり、春のような気温であればいつでも咲くわけではなく、一定期間の冬の寒さの後に来る、春の暖かさが重要なのですね。
インドネシアで桜が咲く理由は?
では、インドネシアで、どうして桜が咲くのでしょう?
インドネシアは赤道近く(南半球)に存在し、亜熱帯地域の国です。
…桜が生息する地域に当てはまっていませんよね。
答えは、「インドネシアに咲く桜は、桜ではない」のです!
夫に送られた写真を見るととても桜の花に似ていますが、どうやらこの花は「タベブイア」という別の花なのだとか。
白・ピンク・黄色など、桜にも似た色の花びらの色や、咲き終わったら葉が出てくる様子などから、インドネシアでは「桜」と呼ばれているのだそうです。
日本の桜を見て感動し、インドネシアの町にもそのような「桜並木」を作りたい…そう思った市長が、主要な道路の街路樹として桜を植えてきたのだそうです。
日本のように四季や寒暖差がないと咲くことのできない桜。
年中暖かいインドネシアでは、「桜の花に似せた花」が目を楽しませていたのですね。
インドネシアの貴重な桜
しかし!なんと、インドネシアでも本物の桜が植えられているところがあるそうです。
それは、標高1300メートルから1425メートルの場所にある「チボダス植物園」。
年間の平均気温が18℃と涼しい気候であるその場所に、4種類435本の桜が植えられています。
ただ、桜の開花に関する特性から、日本の桜のように満開にさせるのは難しいそう。開花時期も予測不可能なのだとか。
桜は日本人の情緒が感じられる花。
南国の花を見て、桜の生態は奥深いのだなと感じたのでした。
参考サイト:サクラ – Wikipedia
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