小学生の頃の昼休み、多くの子が校庭で外遊びをしている中、ひとり教室で国語辞典を読んで過ごしていた時期がありました。
友だちがいなかったわけじゃない。外で遊ぶことが嫌いだったわけじゃない。
でも、ふと、ひとりで言葉の世界に没頭したくて、そうやって過ごしていた時期があったんですよね。そんなに長くはなかったかと思いますが。
書店でこの本を見つけて、そんなことを思い出しました~。
三浦しをん著「舟を編む」です。
一冊の辞書を作り出すプロジェクトに心血を注ぐ人たちの物語。
紙の辞書という限られた紙面の中で、いかに言葉を明瞭に、かつ簡潔に伝えるか。ひとつの言葉の奥に大きな世界があることを伝えてくれる、そんな小説です。
◇◇◇
電子辞書やスマホの辞書機能で十分事足りるようになった昨今。
紙の辞書ってどのくらいの頻度で使いますか?
私はほとんど使わなくなりましたねえ…。日常ではほぼほぼ使わなくなった、という方は大半ではないでしょうか。
私が学生の頃はまだ紙の辞書が主流で、高校生まで学校へ持参するのはすべて紙の辞書でした。逆に、大学生になってからは電子辞書しか使わなくなったと思います。
辞書を引くことの激減した今日、辞書を編集する、という作業なんてなかなか日常では想像することがありませんが…「舟を編む」を読んで、また紙の辞書をめくってみたくなりました。
◇◇◇
それにしても、辞書の編集というのは、なんと長い年月をかけてする作業なんでしょう。
何年もの間、一冊の辞書を完成させるための作業を続ける…とても地道に見える作業ですが、もしかするとここにはビジネスで使えるノウハウが詰まっているかも!?
辞書編集の仕事から、なにか使えるヒントはないか調べてみました!
情報収集・情報管理
膨大な量に及ぶ辞書編集のための情報。
ビジネスの現場で使うとしたら?
目的は明確に
「何のために」「誰のために」を明らかにすることで、情報収集の範囲を絞り込むことができ、ムダが省ける。
情報が正しいか精査
辞書に載っている情報は正確であるのが絶対なので、じっくりと情報の確認や検証をしているそう。
どのような仕事でも、情報の正確さはマスト。手に入れた情報は鵜呑みにせず、必ず確認を。
情報共有のルールを作る
誰でもすぐに情報を探し出せるよう、情報共有にルールを作っておくと、ムダな時間を省くことができる。
情報伝達の工夫
情報はわかりやすく伝えてナンボ。そのための工夫とは?
とにかく簡潔・明瞭に
ビジネス文書やプレゼン資料では、要点がすぐにわかる伝え方を。
スムーズに進行できる一歩です。
検索効率を上げる
資料にタグや目次をつけるなど、相手が目当ての情報にすぐに辿り着ける工夫が重要。
相手目線で考え、柔軟な対応を。
ビジュアルも大事
写真や図、表、イラストなど適宜使用し、視覚に訴えると見やすくわかりやすい。
文字だけでは難しいイメージの共有にも最適。
モチベーション維持のために
もしかすると一番難しいことかもしれない、モチベーションの維持。
辞書編集という地道な作業に学ぶとすると?
仕事の意義を考える
「今やっている仕事にはどんな意味があるのか」「他人や社会にどのような影響を与えるのか」
ときにはこのように自分に問いかけ、自分と仕事について客観視してみては。
ゴールを想像する
日々の作業に追われていると、ゴールや目的を見失いそうになることも。
ゴールまでにいくつか目標を設定し、小さな達成感を味わいながら続けていこう。
作業効率を高める
単純化・簡素化できるところはそのようにして、作業効率を上げることが大事。
時間のムダを省くだけでなく、集中力が上がり精度も良くなるのだとか。
◇◇◇
私たちの日常でも使えるところ、あったのではないでしょうか?
紙の辞書をめくる喜びも、またゆっくり味わいたいな。
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