図書館は好きですか?
私はとても好きな場所のひとつで、よく行きます。
本を借りたり調べものをするのはもちろん、集中して勉強したいときはカフェより図書館派。
私にとっては何より落ち着く場所なのです。
引っ越したら必ず近くの図書館を探しますし、居心地の良い図書館を見つけたときは、少し遠くても休日には足を運んでいたことも。
今は子どもと一緒に行ったり、ちょっとひとりになりたいときに訪れる場所でもあります。
◇◇◇
さて、先日、図書館に行ってきたときのことです。
出版不況、本が売れない、活字離れ…などと言われて長いですが、ミステリー小説はいまだに人気ですよね。
書店でもミステリー小説の新刊は平積みされているのをよく見ます。
私がこの前ビックリしたのが、ミステリー小説の分野で有名な文学賞「江戸川乱歩賞」の賞金額。その額、なんと1,000万円!
あの有名な芥川賞や直木賞の賞金は100万円ですから、その10倍となると市場規模の大きさがうかがわれます。
受賞作は講談社から本として出版されるほか、フジテレビでの単発ドラマ化、もしくは映画化されるというのですから、受賞後の強力なバックアップも魅力です。
私のよく行く図書館でも、「ミステリー特集」のようなコーナーができていることがあります。
書店員ならぬ図書館員が選ぶおすすめの一冊、であったり、「デビュー○○周年」などを記念して選ばれてあったりします。
何かで読みましたが、ミステリー小説のって脳にとてもいいらしいですね。
いつまでも人気が絶えないのは、人間の脳からの自然な欲求なのかもしれません。
そんなことをふと思い出しながら、私もその日は日本文学のコーナーの、とりわけミステリー作家の本をタイトルを眺めていました。
そして、これまであまり手にして来なかった作家の作品を数冊選び、借りて帰りました。
◇◇◇
帰宅して、借りてきた本をリビングのテーブルに置き、夕飯作りなどの家事を開始。
今日は夫も帰りが遅いらしいし、ごはんを食べてお風呂に入って、4歳娘を寝かせたらゆっくりひとりで借りてきた本を読もうかな、なんて考えていました。
そこへ、リビングで遊んでいる娘がテーブルの本を広げ始めました。
娘も本は大好き。私の借りてきた本を、たとえ読めなくても広げてみている、ということはしょっちゅうです。
「図書館の本だからね、お茶こぼさないように気をつけてね」
うんうんと返事をしながら、娘はぱらぱらとページをめくっていました。
イラストもなく読めない漢字ばかりだろうに、内容がわからなくても「本のページをめくる」という行為が楽しいのでしょうか。
しばらくページをめくっていると、何やらぶつぶつと呟いています。
ひとりごとのようなので私は特に気にせず、家事を続けていました。
娘はそれからも、何やら同じ言葉を繰り返し呟いています。
「あけみ、あけみ」
何やら人の名前のよう。本の中の登場人物でしょうか。娘はひらがなが読めるようになったので、本文のひらがなを拾い上げて読んでいるのかもしれません。
「ここも、あけみ!」
娘はページをめくって同じ名前を連呼しています。よほど気に入った名前だったのか…?読める文字がそれだけだったから、ただ声に出しているのか…?
あまりに気に留めずにいたら、娘は私のもとへ、本を抱えて来て言いました。
「ねえ、なんであけみには丸がついてるの?」
何のこと?と思いながら娘の指さすページを見てみると…
登場人物の「あけみ」さんに赤いペンで丸がされてあり、その横には次のような言葉が。
「犯人」
はい、推理終了~~~。
この本を借りた誰かがいらぬおせっかいを働かせて、「あけみ」が犯人であることを記してくださっていました。
犯人を知りながら読むミステリー、面白さは半減してしまいそうですが…せっかく借りたのですから、せめてトリックや描写を楽しんで読むとしましょうか。
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